業務上横領発生時の会社の対応

業務上横領罪とは

前項でも述べた通り、業務上横領は、刑法235条に規定されている犯罪であり、分かりやすい例でいえば、「会社の経理担当の従業員が、いつも自分が管理している会社のお金を、自分のものにしようと懐に入れた」という場合に成立する犯罪となります。業務上横領罪の罰則は、10年以下の懲役であり、罰金刑はありません。そのため、起訴された場合に執行猶予とならなければ刑務所に収監されることになります

従業員が業務上横領を犯した場合、会社に財産的損害が生じるのは当然ですが、その損害の大きさによっては、会社が取り返しのつかないダメージを負うことも十分にあり得ます。また、従業員の横領行為により、取引先からの信用を失墜するということもあり得ますので、損害額が小さいからといって対応・対策を有耶無耶にしてよいものでもありません。

横領発覚時の調査、証拠の確保

横領発覚時に最も重要になるのが、調査と証拠の確保です。これは、刑事・民事、いずれにおいても重要であり、また最も難しいポイントです。何らかのきかっけで横領の疑いが強いことを知ったという段階では、まだ横領の疑いがあるというだけにすぎません。後述のとおり、刑事告訴するにしても損害賠償請求するにしても、また、当該従業員を懲戒解雇するにしても、犯罪の疑いがあるというだけではこれらの方法を取ることができません。

まずは「いつ」「どのように」「いくら」横領されたのかを証拠とともに確定させることが必須の要素です。横領調査に精通した弁護士が横領の調査を行うことによって、後日の返還請求や懲戒解雇あるいは刑事告訴に必ず必要になる証拠を確保します。

横領した従業員の懲戒解雇

横領した従業員の懲戒解雇は、実は会社にとってリスクが高い場面の1つです。手続きの誤りや、横領の証拠が不十分であるなどの理由により、後日、不当解雇として訴えられ、敗訴して高額な支払いを命じられているケースが数多くみられます。

弁護士が必要な証拠を確保することで、解雇について訴訟を起こされた場合でも十分に対応できる準備をしておくことができます。

また、懲戒解雇の手続きを弁護士が行うことで、手続きの誤りを避け、確実な解雇を実現します。

横領した従業員の刑事告訴

横領した従業員の刑事告訴の場面では警察が望む証拠をそろえて整理したうえで、警察に協力を求めることが必要になります。証拠を整理し、また、警察が捜査できるように事実関係を整理することはノウハウと労力を必要とします。さらに、横領と思っていても実際は詐欺や背任が成立するケースもあり、刑法上どの犯罪にあたるかの検討も必須です。弁護士が告訴状を作成し、また警察への資料提出をサポートすることにより、刑事告訴による逮捕、起訴につなげます。

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