痴漢の示談交渉の流れと弁護士に依頼すべき理由を解説

本コラムでは,痴漢事件の当事者となってしまった場合の事件の流れと,対応を弁護士に依頼するメリットについて解説します。

痴漢事件の流れ

一般的な痴漢事件の流れは,次の通りです。

痴漢行為が発覚

痴漢行為は,電車等の場所において,性的羞恥心を与えるような身体の接触をイメージする方が多いかと思います。痴漢行為は,当該行為の直接の被害者からの申告,当該行為を目撃した第三者からの申告,被害者から相談を受けた第三者からの被害の申告(例:被害者の家族)等により発覚することになります。

警察での取り調べ・逮捕・勾留

上記のような被害申告があった際,行為の現場で現行犯逮捕されるケースや,後の被害申告により加害者について捜査をし,通常逮捕されるケースが想定されます。
逮捕されると,まずは48時間身体拘束され,警察官から取り調べを受けることになります。その後,検察に事件記録が送致され,24時間以内に勾留をするか否かの判断がなされることになります。

痴漢被害者との示談交渉

痴漢行為が発覚した場合,事実関係の捜査のため,取り調べを受けることになりますが,その間にも,被害者との間で可能な限り示談に関する交渉を実施することになります。謝罪や金銭的な被害弁償を提案し,受け入れてもらえるのであれば示談の交渉を行うことになります。

示談金額の交渉

示談の交渉に当たっては,一定の示談金を支払った上での示談を目指すことになります。自身の収入,協力者の支援などから現実に支払える金額の中で示談を目指していくことになります。

示談書の作成と不起訴処分の決定

示談が成立した場合,弁護士が示談書を作成し,被害者と取り交わしをすることになります。その上で,検察に示談が成立した旨伝え,結果,起訴は不要と判断された場合は,不起訴処分の決定がなされることになります。

痴漢事件を弁護士に依頼しないリスクとは

痴漢事件の当事者になった場合,迅速に弁護士に対応を任せることをおすすめします。速やかに弁護士に依頼をしなかった場合,次のようなリスクが考えられます。

警察に逮捕・勾留されてしまうリスク

痴漢行為が発覚した場合,現行犯で逮捕されるリスクはありますが,そうでない場合,弁護士を通じて迅速に示談を行えば,逮捕を免れられる可能性が高まります。

職場にバレてしまい解雇されるリスク

仮に逮捕された場合,迅速に身柄解放を目指さなければ,逮捕,勾留により長期の身柄拘束により,職場に出勤はもちろん,連絡さえできず,最悪の場合職場に逮捕された事実が伝わる可能性があります。
また,起訴され,有罪となった場合は,職場の懲戒事由に該当し,解雇等重い処分を課される可能性があります。

起訴されてしまい前科が付くリスク

起訴され,有罪判決が出た場合,仮に執行猶予が獲得できたとしても,前科がついてしまうことになります。それを避けるためには,早期に示談交渉を行い,不起訴処分を得る必要があります。

当事者間で示談交渉がまとまらないリスク

痴漢事件の被害者は,行為者に悪感情を有しており,当事者間では示談の話がうまくまとまらない可能性があります。弁護士が代理人として交渉する場合の方が,示談が円滑にまとまる可能性が高まります。

痴漢の弁護を依頼する際に抑えておくべきポイント

仮に痴漢の被疑者となり,弁護士に依頼をする場合にどのような弁護士を選ぶべきか,そのポイントをご紹介します。

初動対応が早いか

刑事弁護は初動の速さが非常に重要となります。逮捕勾留をされている場合はもちろん,そうでない場合でも直ちに話を聞き,必要な初動対応をとることのできる弁護士を選ぶことが重要となります。

痴漢弁護の経験が豊富か

痴漢の被疑者となった場合,迅速な被害者との示談等,ポイントを押さえた弁護活動が重要となります。そのため,同種の事件の経験が豊富な弁護士に依頼をすることが重要となります。

弁護士費用が明確か

弁護士費用として,一般的に着手金,報酬,実費等が必要となりますが,それらの金額が明確であるかは注意が必要です。特に結果によって変動する成功報酬制の場合,事件終了後に思わぬ報酬の請求がある可能性があり,事前に確認しておくことが重要となります。

冤罪で逮捕されてしまった場合

痴漢事件は,何もしていないのに痴漢をしたと誤解され,逮捕されるケースも発生します。このように,痴漢に間違われて逮捕されたという場合には,自分は何もしていないことを主張し続けるほかにありません。
痴漢の事実を否認することで,逮捕,勾留の期間は長くなる可能性は高くなる上,捜査機関の追及も厳しくなることが考えられます。「認めてしまえば楽になる」といった気持ちから自白してしまうことも考えられます。
しかし,冤罪にも関わらず,罪を認めてしまうことにより,取り返しのつかないことになってしまいます。そのような場合は,弁護人とコミュニケーションをとりながら,我慢強く対応することが必要になります。

すぐに弁護士を呼び身柄解放に向けて動く

万が一,冤罪で逮捕されてしまった場合一刻も早く身体拘束からの解放を目指して動く必要があります。弁護士から,勾留開始,勾留延長に対する準抗告を行うなどし,粘り強く身柄開放を目指す必要があります。

職場に発覚しないように動く

逮捕,勾留が長引くと,仕事を欠勤せざるを得なくなります。上で述べた通り,身柄解放に向けた活動をしていち早く職場への復帰を目指すことはもちろん,必要に応じて自身の家族にも協力をしてもらいつつ,有給申請等,職場への適切な対応をしていく必要があります。

痴漢弁護士の費用相場

痴漢事件を弁護士へ依頼する場合の弁護士費用としてはまず,初回の法律相談料が必要となります。相場としては30分5000円(税抜)程度の料金を設定することが多いです。また,事件の依頼をする場合,着手金,報酬金,実費が必要となります。接見に行った回数に応じて日当を頂く場合もあります。金額としては,着手金として,30から40万円(税抜),報酬としても,同程度の金額を設定することが多いです(事案によって変動はします)。

示談交渉の費用相場

被害者と示談交渉を実施する場合,弁護士上記の弁護士費用に加え,示談金が必要となります。一般的にはおおよそ30万円~50万円,事案によってはそれ以上の費用が求められることもあります。
被害者との示談の成否は,起訴されるかどうかの処分を決定する際に影響を与えるものとなりますので,不起訴を目指す場合は,検察官が起訴の決定をする前に,迅速に被害者との示談成立を目指すべきといえます。

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