国選弁護士と私選弁護士の違い

刑事事件で逮捕されてしまった、家族・知人が逮捕されてしまったという場合、弁護士に依頼すると、弁護士は早期に留置所から出られるように働きかけたり、留置所にいる本人に会い、今後の見通しを話したり、被害者と示談交渉をして、不起訴処分となるよう弁護したり、実刑がつくような事件でも、執行猶予を獲得できるように弁護したりと、逮捕された方のために様々なサポートをします。

刑事事件を担当する弁護士には2タイプあり、それが国選弁護士と私選弁護士です。

「国選弁護士と私選弁護士、どちらに依頼すればいいのか」ということを相談者からよく質問を受けますが、法律上、私選弁護士をつけることが原則ですが、本人や家族に私選弁護士を雇える資力がない場合には、国選弁護士を付けることもできます。

国選弁護士と私選弁護士の違い

国選弁護士   私選弁護士
国選弁護人として登録された名簿の中から機械的に選ばれます。 選任について 身柄が拘束されていない場合は、自分で選ぶことができます。身柄が拘束されている場合は家族が選びます。
貧困など経済的な事情により、私選弁護人への依頼が困難であることが必要です。具体的には、資力要件として、現金・貯金が50万円以下の場合が選任基準となっています。 選任条件について 条件はなし。弁護士と自由に契約できます。
全事件について、被疑者の勾留決定後に国選弁護人が選任されます。 選任時期 自首したい場合や、まだ逮捕されていないが、警察から呼び出しを受けているなど、起訴前の早期の段階から弁護を開始することができます。

国選弁護を選任するタイミングは2つあり、

①起訴後に弁護人を付ける被告人国選弁護と、

②起訴前から弁護人を付ける被疑者国選弁護になります。

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①被告人国選弁護については、「死刑又は無期若しくは長期3年を超える懲役若しくは禁錮に当たる事件」については、当然に被告人国選の対象となりますが(必要的弁護事件)、それ以外の事件(任意的弁護事件)については、資力要件を満たさない場合は私選弁護人選任申出を既に行っていることが必要です。

 

また、②被疑者国選弁護について、従来は「死刑又は無期若しくは長期3年を超える懲役若しくは禁錮に当たる事件」、すなわち一定の重大事件についてのみ被疑者国選が認められていましたが、平成28年刑事訴訟法改正(平成30年6月1日施行)により、法定刑の軽重にかかわらず全ての事件が被疑者国選弁護の対象となりました。

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私選弁護士のメリット

●私選弁護人は早期の弁護(逮捕前ないし逮捕段階)が可能

私選弁護人の一番のメリットは、早期の段階から弁護人を選任できることです。国選弁護人は、基本的には勾留された段階から選任手続が始まりますので,実際に国選弁護人が弁護活動するまでは逮捕から時間がかかることがあります。逮捕勾留されていないときや、逮捕された直後にはすぐに選任されることはありません。それゆえ、逮捕,勾留を回避するための弁護活動は、私選弁護人しかできません。逮捕されてしまった場合、私選弁護士はまず、勾留されないように働きかけます。勾留が認められてしまった場合は、10日間は警察の留置所から出られない状態になってしまいます。この間、会社を無断欠勤することになり、解雇されてしまう可能性もでてきます。痴漢事件や盗撮事件、万引きなどの事件であれば、家族などの身元引受人がいて、検察官や裁判官に証拠隠滅や逃亡をしないことが証明できれば、その日に家に帰れることもあります。自宅に帰宅できた場合でも、勾留された場合でも、その後、検察庁で処分が決まります。

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●私選弁護人は自分の方針にあった弁護士にすることができる

私選弁護人は、被疑者や被告人らが、本人ないし本人の意を受けた家族が選ぶことができるので、実際に面会した上で,その弁護士の弁護方針について確認した上で、弁護人を決めることができます。弁護士によって,弁護方針が異なることは度々あります。万が一、弁護人とのやりとりに問題が生じたり、方針についての意見が一致しないことがあったりしたとしても、自ら選んだ弁護人ですから、自ら解任して、他の弁護人を選び直すこともできます。国選弁護人は、裁判所が選びますから、変更するかどうかも裁判所の判断になります。

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●事前に対応業務を明確にすることができる

刑事事件の処分や判決をできる限り被疑者や被告人に有利なものにするように選ぶことは弁護人の本分そのものですので違いは生じませんが、例えば、家族への連絡であったり、勤務先への対応であったり、周辺の事情については、国選弁護人の場合は必要最小限でしか対応しないとの考えはあり得ます。もちろん、国選弁護人であっても私選弁護人であっても、何も違いはないという弁護士もいます。国選弁護人として選任された弁護士が、どのような考えを持っているかはわかりませんし、裁判所としても、刑事事件としての弁護人の活動に問題がなければ基本的には解任はしません。この点,私選弁護人を依頼する際には,どの範囲まで対応してくれるのか確認して依頼をすることができます。

 

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